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ふうの翻訳劇場

~ 芝居好きの駆け出し翻訳家ふうの日記 ~

壁の中の妖精

壁の中の妖精

先週、春風ひとみさんの一人芝居 『壁の中の妖精』(於: 池袋 あうるすぽっと)を観てきました。以前、テレビで見て、一度ナマで観てみたいなぁと思っていたところ、たまたまある方から招待券をいただいたのです。

舞台はスペイン内戦後のアンダルシアの小さな村。フランコ独裁政権による処刑を免れるため、約30年間、自宅の壁の中で隠れて過ごした夫を、励まし、支え続けてきた妻と、その娘の物語。

実をいうと、少人数のお芝居は好きなんだけど、一人芝居は(偏見かもしれませんが)自己陶酔型が多いような気がしてあまり得意ではないのです。でも、この 『壁の中の妖精』 は例外。テレビで見たとき、なんだかすごく感動してしまい、その時はどうしてなのかよくわからなかったのですが、今回舞台を観てわかったような気がします。

まず、一人芝居なのですが、春風さんが演じるのは、娘の幼少期、夫を支える妻、成長した娘、年老いた妻、家を訪れる客人etcと、一人で何役も演じられるので、まったく飽きさせない。もちろん、その演じ分けが見事で、声色から立ち振る舞いまで、ほんとにすばらしくて、オープニングから圧倒されてしまいました。本作はミュージカル仕立てになっていて、歌もたくさんうたわれるのですが、元タカラジェンヌですからね~もう文句なしです。曲はピアノとギターの生演奏で、これがまたすばらしい! ほかにも、幼い娘が妖精だと思っている父親が、壁の中から娘に語って聞かせるおとぎ話を、影絵で見せるという演出も、舞台を盛り上げていました。

処刑を免れるために長い間、自宅の壁の中で暮らすと聞くと、なんとなく 『アンネの日記』 を思い出しますが、この 『壁の中の妖精』 もまた史実をもとにした作品で、実際にこんなことがあったのだと思うと、とてもやりきれない思いになります。

ただ、こうした重たいテーマを扱いつつも、この 『壁の中の妖精』 は決して暗くなくて、明るさや生きる喜びを忘れず必死に生き抜いてきた人たちの姿を、歌や、ときにはユーモアを交えて描いていて、まさに副題の 「生きているってこんなに素晴らしい」 というメッセージを伝える、本当にステキなお芝居でした。

『壁の中の妖精』 は今年で17年目、今公演中には300ステージを超えるそうです。どこかで、今年が最後になるかも、というような記事を読んだ気がするのですが、春風さんの体力が続くかぎり、ぜひともこれからも続けていっていただきたいと切に願います(めざせ、森みつ子さん!)。

『壁の中の妖精』 のもとになった本。




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プロフィール

ふう

Author:ふう
(B型、みずがめ座、木星人+)
芝居好きの駆け出し翻訳家。
派遣社員として製薬会社で翻訳業務に従事するかたわら,2010年春より在宅で字幕翻訳の仕事をさせていただいております。いつか自分の訳した戯曲が舞台化され,それを観る日を夢見つつ,日々翻訳修行に励んでいます。

※当ブログについて:
当初は芝居と翻訳について半々の割合で書くつもりでしたが,今ではほとんど観劇日記と化しています。“翻訳”等のキーワードでアクセスしてくださったかたには申し訳ありません! でもたまに仕事や翻訳についても語っているので、もしよかったらまたお越しくださいね。

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