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ふうの翻訳劇場

~ 芝居好きの駆け出し翻訳家ふうの日記 ~

ドラクル~God Fearing Dracul~

更新が遅れてしまい申し訳ありません。
先日、『ドラクル』 千秋楽を観てまいりました!

キャスト
レイ: 市川海老蔵
リリス: 宮沢りえ
エヴァ: 永作博美
アダム: 勝村政信
ガミュギル(医者): 渡辺哲
ブランシェ: 山崎一
司教: 手塚とおる
ジョン・ジョージ(吸血鬼): 山本亨
マリー・ナダスティ(吸血鬼): 明星真由美
ラーム: 市川しんぺー
プット・ケルブズ: 中山祐一朗


ドラクルシアターコクーンはものすごく久しぶりでしたが、やはりとってもいい劇場ですね。今回、わたしはM列でしたが傾斜もしっかりついていてよく観えました。芝居のほうは、どことなく昨年観た Studio Life 『銀のキス』 と重なるところもあって、なかなか素敵なお芝居でした。(長塚作品とStudio Lifeが重なるというもの意外でしたが)

吸血鬼でありながら人間の血は吸わずに、ねずみなどの動物の血を吸って生きているところ、人間の女性を愛してしまうところ、そして最後朝日を浴びて死ぬ間際に、愛した女性に 「(死ぬのが)こわい」 と言って手をぎゅっとにぎりしめるところ…。とくに、このラストシーンでは、サイモンとゾーイを思い出して涙しました。

先日観た、『愛、時をこえて』 のような歌あり笑いありの明るいドラキュラもいいですが、個人的には、今回の 『ドラクル』 や 『銀のキス』 のような、せつなくて悲哀に満ちた耽美な世界のほうが好きかなぁ。

ドラクル感想続きは 「追記を表示」 からどうぞ。

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まず客席に入ると、18世紀終わり頃のフランスが舞台とあって、ステージの幕にはヨーロッパの劇場を模したベルベット調のカーテン、それからいちばん上の中央には “God Fearing Dracul” の文字が映し出されていて、まさにドラキュラワールドといった雰囲気が漂っていました。(大好き、こういうのっ!)

幕が開くとまず、山崎一さん演じるブランシェの長台詞が始まり、これから始まる芝居の伏線を敷きます。海老蔵さん演じる主人公のレイ(ドラクル)は300年生きていて、ブランシェ家の人間は代々、ドラクルの様子を見守る役目を担っています。ブランシェは芝居を通じてナレーションというか「語り部」のような存在でもありました。

海老蔵さん演じるレイは、ジャンヌ・ダルクに傾倒し、のちに多数の子どもを惨殺して死刑になったという、ジル・ド・レという15世紀フランスの貴族がモデルになっています。芝居の中では、死して尚、子どもの血を吸いながら生き続けるのですが、その途中で宮沢りえちゃん演じるリリスと出会い、ふたたび神を信じるようになり、過去の罪深い行いを悔い改め2人で懺悔に生きるという設定になっています。

リリスもまた、もともとは領主アダム(勝村政信さん)の妻でありながら、夫以外の子どもを身ごもり、生後間もない赤ん坊を手にかけるという罪を背負って生きています。

かくして、人間の女性とともに暮らしながら、神に祈りを捧げるという稀有なドラクルの物語は始まります。貧しくも、森の奥でひっそりと暮らすレイとリリス。これを、海老蔵さんとりえちゃんが演じているわけですから、美しくないわけがありません。海老蔵さんは普段、歌舞伎では荒事で弁慶とか、他の舞台でも信長とか、荒々しい役を演じておられるので、この苦悶に満ちた「静」の役どころがとても新鮮で、新たな一面を開拓、といったところでしょうか(ご本人や作・演出の長塚圭史さんの意図でもあったようです)。

海老蔵さんの声がとても好きで、もちろん歌舞伎でもそれは本領発揮されているのですが、こういう「静」の役にも、とっても合うと思いました。透き通っていて、尚且つ力強い、みたいな。

宮沢りえさんは、舞台を拝見するのは今回が初めてなのですが、やはりこの方もオーラがある女優さんだなぁと思いました。たしかに上手いし実力はお持ちなのですが、そういう次元ではないところで魅せられてしまう、そんな感じ。海老蔵さんとは1994年 『天守物語』 で初共演されているそうなのですが、是非是非再演してほしい! 

他の女優さんでは、永作博美さんがアダム(勝村さん)の2人目の妻を演じておられたのですが、この方も舞台を拝見するのは初めてでしたが、いやぁすごい存在感でした。今までちゃんと見たことあったのは、かなり昔のTVドラマ『週末婚』くらいだったもので、改めて実力を見せつけられたような気がいたします。

今作は、長塚圭史さんのシアターコクーンでの作・演出デビュー作品。阿佐スパ作品はTVで 『ライヒ』 『十字架』、生では 『みつばち』 しか観たことがないのですが、笑いの要素はかなり抑えられていましたが(ほとんど無し)、血が出てきたりするグロテスクな部分は健在でした。それから、観劇後になにやら心にもやもやするものが残る、あの感じも。

そのあたりは、海老蔵さんも苦労なさったみたいです。パンフレットに掲載されている長塚さんとの対談によると、「歌舞伎ではなにを見せたいか、なにを伝えたいかがはっきりとしている」(海老蔵)。これに対して長塚さんは「ひと言でいえるようなものなら、2~3時間もかけて芝居をする必要がない」 とくに長塚さんの作品は、観終わった後にどう感じるかは観客に託されているところがあるから、海老蔵さんもそのへんの感覚がなかなか理解しにくかったみたい。

奥が深い舞台だったので、まだまだ書きたいことは山盛りなので、今日はこのへんにしておきます。続きは後日…。
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プロフィール

ふう

Author:ふう
(B型、みずがめ座、木星人+)
芝居好きの駆け出し翻訳家。
派遣社員として製薬会社で翻訳業務に従事するかたわら,2010年春より在宅で字幕翻訳の仕事をさせていただいております。いつか自分の訳した戯曲が舞台化され,それを観る日を夢見つつ,日々翻訳修行に励んでいます。

※当ブログについて:
当初は芝居と翻訳について半々の割合で書くつもりでしたが,今ではほとんど観劇日記と化しています。“翻訳”等のキーワードでアクセスしてくださったかたには申し訳ありません! でもたまに仕事や翻訳についても語っているので、もしよかったらまたお越しくださいね。

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Studio Life 『ドラキュラ』
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Studio Life 『トーマの心臓』
劇中曲(アヴェ・マリア他)収録


















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